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源氏物語全講会への期待 2003年 (2)

源氏物語全講会への期待 2003年 (2)

記念講演 おふたりの先生の学問を偲ぶ

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岡野弘彦(歌人・國學院大学名誉教授)

  1. 折口先生との出会い/内弟子として一緒に過ごした折口先生晩年の思い出
  2. 三矢重松先生と折口信夫先生 国学最後の二人
  3. 真の師弟関係/源氏物語の価値を重視した三矢先生
  4. 二人の先生の魂を静めるためにいますべきこと

1.折口先生との出会い/内弟子として一緒に過ごした折口先生晩年の思い出


(再生時間 15分23秒)

・私の学生時代
・太平洋戦争と敗戦の経験
・折口先生の学問との出会い
・内弟子として折口宅で7年間を過ごす
・折口家の思い出
・生き生きと心に響いた折口先生の言葉

2.三矢重松先生と折口信夫先生 国学最後の二人


(再生時間 21分27秒)

・天王寺中学を受験した折口信夫/面接試験での三矢重松先生との出会い
・三矢先生の心の深さに感動した折口信夫
・國學院大学での再会
・折口の天才を見抜いていた三矢先生

「海軍中尉三矢五郎氏を悼む」(大正4年以前)
わたつみの海にいでたる富津(ふつ)の崎
ひねもすまほに霞むしづけさ

3.真の師弟関係/源氏物語の価値を重視した三矢先生


(再生時間 22分37秒)

・三矢先生の人柄/古風さと格調
・伝統主義にとらわれない精神
・古典を通じて「道念」(道徳性をもった情熱)を読みとる
・真の師弟関係とは
・貧しくも温かかった三矢先生宅のお正月
・源氏物語の価値を重視した三矢先生
・国文学と国学との違い

4.二人の先生の魂を静めるためにいますべきこと


(再生時間 21分12秒)

・折口信夫「先生」より

亡くなられた三矢重松先生の病気の、いよいよ重かった頃、ひとり、
箱根堂ヶ島の湯に籠もって、先生を記念するための、
ある為事に苦しんでいた。

山川のたぎちを見れば、はろばろに
満ちわかれ行く 音の かそけさ

先生、既に危篤

この日ごろ 心よわりて、思ふらし。
読む書のうへに 涕おちたり

わが性(サガ)の 人に羞ぢつつもの言ふを、
この目を見よ と さとしたまへり

学問のいたり浅きは 責めたまはず
わがかたくなを にくみましけり

憎めども、はたあはれよ と のらしけむ
わが大人の命(イノチ) 末になりたり

先生の死

死に顔の あまり 空しくなりいますに、
涙かわきて ひたぶるにあり

ますらをの命を見よと 物くはず、
面わ かはりて、死にたまひたり

・折口信夫「冬草」より

きのふは、おのれ、源氏全講会をつぎて後、四年目第二学期の
最終日なりき。

十日着て、裾わわけ来る かたみ衣(ギヌ)。
わが師は つひに とぼしかりにし

師の道を つたふることも絶えゆかむ。
我さへに 人を いとひそめつゝ

まずしさの はたとせ堪へて 死にゆける
師の みをしへは、明らめがたし

・折口信夫「最上」より

三矢先生、ここに育ちたまひき。

この国に 我は来にけり。
山河に向けば、聞かむとす。ふる人のこゑ

・折口信夫「三矢先生」より

先生を悲しんだ翌朝、琉球へ旅立ったことも、遠い記憶となった。
今年はそれから、十三年になる。さうして、また、明日は、
南島へ向はうとして居る。

師は、今はしづかにいます。荒あらと
われを叱りし声も 聞えず

我が耳は聞かずやあらむ。窓の木の
梢(ウレ)うごくよと 言ひたまひけむ

十年あまり三とせを経たり。
師の道も かつあやまたず 我は来にけむ

・折口信夫「三矢先生二十年祭」より

しづかなる境に 君はいませども、
きこしわくらむ。国おこるとき

・国学は公憤の学問である
・文語の文体が失われた現代
・二人の先生の魂をしずめるためにいますべきこと

コンテンツ名 三矢重松八十年祭・折口信夫五十年祭記念シンポジウム「源氏物語全講会への期待」
収録日 2003年11月2日
講師 岡野弘彦

会場:鶴岡タウンキャンパス・キャンパスセンターホール
主催:三矢重松八十年祭・折口信夫五十年祭記念シンポジウム実行委員会
協力:財団法人エンゼル財団
山形県鶴岡市出身で国学・国文学・国文法の大家であった三矢重松[明治4年(1971年)-大正12年(1923年)]と、その愛弟子で「折口学」と称される広範かつ独創的な学問領域を開拓した我が国を代表する国学者・民俗学者・歌人・詩人の折口信夫[明治20年(1887年)-昭和28年(1953年)]。この二人の比類のない業績を顕彰するとともに、特に彼らが究めた本居宣長以来の源氏物語研究の学問的・芸術的成果を継承していくための契機として、記念シンポジウムが開催されました。本コンテンツでは当日の模様を配信しています。

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