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源氏物語と根生いの心-世界に響くやまとことばの世界 (4)

源氏物語と根生いの心-世界に響くやまとことばの世界 (4)

対談 源氏物語の国際化に向けて

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対談
岡野弘彦(歌人・國學院大学名誉)
渡部昇一(上智大学名誉教授)

  1. 『源氏物語』を国際化する視点とは
  2. 谷崎潤一郎の現代語訳をめぐって
  3. 『源氏物語』の時代の世界史的意義
  4. やまとことばの伝統を現代人の心に取り戻すには

1.『源氏物語』を国際化する視点とは


(再生時間 10分19秒)

・イメージをもって一気に文章化した紫式部とウェイリーの共通点

・『源氏物語』読解のむずかしさとウェイリー訳の明快さ

かの須磨は、昔こそ人のすみかなどもありけれ、今はいと里ばなれ、心すごくて、海人の家だに稀になむと聞き給へど

・ウェイリーの英訳をめぐる日本側の議論/正宗白鳥はウェイリー訳を支持
・オールド・イングリッシュとやまとことばについて
・『平家物語』は読めても『源氏物語』が読めないのはなぜか

2.谷崎潤一郎の現代語訳をめぐって


(再生時間 10分43秒)

・『源氏物語』の現代語訳に三回も取り組んだ谷崎潤一郎

いづれのおほん時にか、女御更衣あまた侍ひ給ひけるなかに、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふ、ありけり

・第1回目の訳
いつ頃の御代のことであつたか、女御や更衣が大勢祇候(しこう)してをられる中に、非常に高貴な家柄の出と云ふのではないが、すぐれて御寵愛を蒙つていらつやるお方があつた。

・第2回目の訳
いつの御代のことでしたか、女御や更衣が大勢祇候(しこう)してをられました中に、格別重い身分ではなくて、誰方(どなた)よりも時めいてをられる方がありました。

・第3回目の訳

何という帝の御代のことでしたか、女御や更衣が大勢伺候していました中に、たいして重い身分ではなくて、誰よりも時めいている方がありました。

・主語を補う与謝野晶子訳と主語をいれない谷崎訳
・紫式部の文章の奥深い心を読ませようとした谷崎の仕事

・アッツ島の戦いに向かう船中で『源氏物語』を読んだドナルド・キーン
・伝統を守るばかりでなく、『源氏物語』を国際化する視点が必要

3.『源氏物語』の時代の世界史的意義


(再生時間 17分36秒)

・読みやすさか、原文への忠実さか/谷崎訳をめぐって
・わかりやすいほうが売れる、現代の出版事情
・原書を離れて一人歩きするキャッチフレーズ
・ギリシャ神話と『古事記』『源氏物語』における男女の愛
・心を落として読めばすべて「風俗潰乱の書」となる

・国際化には『源氏物語』の時代や社会背景をもっと紹介する必要がある
・平安時代は文明史上でもっとも平和が長く続いた時代
・紫式部や清少納言、和泉式部など優れた女性作家を数多く輩出
・世界の文学史に先んじている平安朝の女流文学

・宗教的な力を秘めていた『源氏物語』の女性たち
・仏教、儒教の価値観に変わる以前の女性のありかたが描かれている

4.やまとことばの伝統を現代人の心に取り戻すには


(再生時間 16分45秒)

・ウェイリーと谷崎/翻訳にかける情熱
・軍記物語とは次元が異なる『源氏物語』の文章
・やまとことばのボキャブラリーがなければ読めない『源氏物語』
・オールド・イングリッシュの代表作『ベーオウルフ』との類似
・母国語だけの文章と外来語を入れた文章の違い
・耳から心へ受け継がれるやまとことばの伝統的性格
・漢語を用いた和歌は耳から心へ伝わりにくい

・和歌、俳句と外来語

古池や蛙飛び込む水の音 (芭蕉)

枯朶(かれえだ)に烏のとまりけり秋の暮れ (芭蕉)

最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも (斉藤茂吉)

・百人一首ぐらいは子供にきちんと教えてほしい

筑波嶺のみねより落つるみなの川こひぞつもりて淵となりぬる (陽成院)

・日本文化の継承に立ち向かうべき現代社会
・現代日本人が活力を取り戻すにはどうすべきか
・深い恋の心を持つことがなくなった現代
・恋歌の理想を内的な体験として持つことが、現実をより素晴らしいものにする

コンテンツ名 「Genjiフォーラム・スペシャル 『源氏物語』と根生いの心 ~世界に響くやまとことばの世界~」
収録日 2003年6月7日
講師 岡野弘彦、渡部昇一

会場:東京・日本財団ビル大会議室
主催:エンゼル財団
2003年6月、エンゼル財団主催による「Genjiフォーラム・スペシャル 『源氏物語』と根生いの心 ~世界に響くやまとことばの世界~」が、東京・日本財団ビル大会議室で開催されました。今回のフォーラムでは、講師に岡野弘彦先生、田辺聖子先生、そして渡部昇一先生をお招きし、「日本人の根生いの心(日本人が日本人として古来から有する心根)」を中心に、『源氏物語』の国際化の意義の大きさについて、活発な議論が展開されました。本コンテンツでは、当日のプログラムより、岡野先生、渡部先生がご講演された、第二部の模様をお伝えします。

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