本文へ

ホーム > 日本の古典 > 古事記 > 古事記が語る原風景-本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って (10)

古事記が語る原風景-本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って (10)

古事記が語る原風景-本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って (10)

【セッション3】折口信夫・小林秀雄をめぐっての対話

okano_watanabe3A[1]

シンポジウム

岡野弘彦 國學院大学名誉教授
渡部昇一 上智大学名誉教授

コーディネーター
松田義幸 実践女子大学教授・エンゼル財団理事

  1. 大和言葉と見えない世界のひろがり
  2. 魂を鎮める歌
  3. 文明の移り変わりと軽くなる言葉
  4. 魂の遊びと祭り
  5. 会場からの質問/折口信夫「海のまぼろし」

1.大和言葉と見えない世界のひろがり


(再生時間 20分11秒)

・知識ではなく、万葉の世界が見えた折口信夫
・『万葉集』をわずか3ヶ月で現代語訳
・宣長論の執筆前に折口信夫に合いにきた小林秀雄
・「宣長さんは、何と言っても源氏ですよ」
・内的な反省には外来の言葉は使えない
・空虚な標語にあふれていた軍国主義の時代
・言葉を身に着けるために東歌を暗記

・言葉は外から来る/ジーニアスの語源は守護霊
・魂と風/魂も外から来るもの
・魂(ソウル)の語源は海/ゲルマン人の魂は北の海に戻る

・万葉人が言葉にこめた力
笹の葉はみ山もさやにさやげども吾は妹思ふ別れきぬれば (柿本人麻呂)

・魂の交換の印としての古代の歌

2.魂を鎮める歌


(再生時間 9分38秒)

・死者の魂を鎮める和歌のちから
・天若日子(あめわかひこ)の神話
・挽歌/魂を完成させようとする歌の系譜
・大事にしなければならない怨霊信仰
・信仰を通じて豊かな神に浄化していった菅原道真の魂
・太平洋戦争で殺された人々の魂を鎮めるために

3.文明の移り変わりと軽くなる言葉


(再生時間 9分19秒)

・『イギリス国学史』について
・古い英語と今の英語では発音がまったく違う
・風を意味する英語のウィンドとゲルマン語のベェーエン

・古い言葉にはオノマトペア(擬声語、擬音語)が多い
・「ピカリ」から「ひかり」へ
・古英語の詩「ベーオウルフ」の響き
・文化が進むと言葉の角がとれて丸くなる

・ミヒャエル・エンデの『モモ』とオカルティズム
・日本に伝えられたのはオカルティズム抜きのシュタイナー教育論

4.魂の遊びと祭り


(再生時間 6分58秒)

・「遊ぶ」という大和言葉について
・吉野の桜の歌

咲きみちて胸せまりくる花の山
西行のごとく我は遊ばず (岡野弘彦)

・本当の魂の遊び/歌、舞、音楽
・祭りの興奮こそ「遊び」の凝縮、「遊び」の花
・祭りは命がけでやるもの
・日常とハレのけじめがなくなって一元化してしまった近代人
・聖なる感覚がなくなれば祭りは世俗化する

・感覚を取り戻すために、子供たちに和歌を暗記させる教育を

5.会場からの質問/折口信夫「海のまぼろし」


(再生時間 12分41秒)

・『万葉集』の成立について
・帰化人によって和歌表現がまとめられたのか
・万葉仮名以前の豊かな伝承の世界
・文字を知ることによって、伝承の能力が急速にしぼむ

・『古事記』の研究は宣長に読まれるまでずっと空白だったわけではない
・驚異的な力で『万葉集』を読み解いた賀茂真淵

東の野にかぎろい立つ見えてかえりみすれば月かたぶきぬ (柿本人麻呂)

・折口信夫が沖縄人について歌った歌「海のまぼろし」

静かなる あさけに起きて
床の上に おおき投げキス
我 ついにかくのごときか
我 ついにむなしく老いて
かくながら命おえなむ
庭のおもに なびこう霧の
ほのぼのと漂う上に
紫陽花の青き花むら
澄みすすみて 深海の色 見つつ
我が心ぞ痛む
南のうるまの海の沖縄の遠き空より
帰りこし わたの記憶
大わたの波にうけたる
航空路の帰航の青さ
人しらで わた中に 渦潮ぞなりめぐる
めぐり澄む 青一色
飛行機はそこに陥る
瞬間に見し紫陽花
戦いのなかりしときの沖縄の 海のまぼろし
戦いにやぶれし国の さすらいの老いのこの身の
取り返すものともあらぬ 青きまぼろし

・折口信夫と藤井春洋
・青は日本人の原初の色

コンテンツ名 エンゼル・フォーラム「日本人の心の源郷『日本語(やまとことば)』 ~本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って~」
収録日 2003年3月8日
講師 岡野弘彦、渡部昇一、コーディネーター:松田義幸

主催:エンゼル財団
収録映像:著作権者 財団法人エンゼル財団
2003年3月、エンゼル財団主催によるエンゼル・フォーラム「日本人の心の源郷『日本語(やまとことば)』 ~本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って~」が、開催されました。講師に岡野弘彦先生、渡部昇一先生のおふたりをお招きし、松田義幸先生のコーディネートのもと、「『古事記』と日本人」を中心テーマにおいて「日本語の本質」「日本人の精神」を議論し、母国語としての日本語を大切にした心豊かな生活像について議論が交わされました。 本コンテンツでは、当日の模様をお伝えします。

このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

講師:岡野弘彦

(國學院大學名誉教授)

講師:渡部昇一

(上智大学名誉教授)

コーディネーター:松田義幸

(実践女子大学教授・森永エンゼル財団理事)

肩書などはコンテンツ収録時のものです

ページのトップへ戻る