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源氏物語全講会 | 岡野弘彦

源氏物語全講会

第93回 特別講義 『源氏物語』から読む日本人の心の伝統

本文を離れた特別講義。「『源氏物語』というのは日本人にとって一体何なのか、現代の我々がどういう気持ちで『源氏物語』を読めば、日本人の心の伝統に沿った読み方ができることになるのかということを少し考えてみたいと思うのです」。

『源氏物語』の成立に働いたもの

・源氏物語の成立について
・源氏物語は日本人にとって一体何かという問い
・平安文学の中で源氏はまさしく「物語」
・古代神話の主人公の系譜に連なる光源氏
・光源氏という名前/「ミナモト」という姓について
・光源氏の誕生と成長の条件/折口博士の「貴種流離譚」説について
・古代神話の主人公に共通する力あるすばらしい女性からの援助

古代神話の男主人公と女主人公

・男主人公・光源氏と深い関わりを持つ女主人公
・古代神話の伝説・物語の中の女主人公の姿
・天照大神(あまてらすおおみかみ)
・棚機つ女(たなばたつめ)
・大国主命(おおくにぬしのみこと)を助ける須勢理毘売(すせりひめ)
・沼名河比売(ぬなかわひめ)と須勢理毘売
・木花之開耶姫(このはなさくやひめ)と岩長姫(いわながひめ)
・豊玉毘売(とよたまひめ)と玉依姫(たまよりひめ)
・倭姫命(やまとひめのみこと)と倭建(やまとたけるのみこと)
・出雲の神々/佐太大神(さたのおおかみ)
・母子神信仰と洞窟の世界
・「紫の上」という女主人公の存在感

『源氏物語』の歴史的背景

・藤原氏の影響
・藤原氏に対抗した長屋王(ながやのおおきみ)、橘諸兄(たちばなのもろえ)
・在原業平(ありわらのなりひら)と源氏の系譜
・他氏(たし)と王氏(おうし)
・王氏の文学
・源氏物語成立における藤原道長との存在―文化感覚の優れた政治家

「女主人公」の力

・折口信夫と「まれびと神」研究
・古代の霊魂信仰と深く関わる古代人の「みる」「きく」「たべる」
・池田弥三郎氏の研究/山神(やまつみ)と海神(わたつみ)
・天子を称える言葉/みそなわす、きこしめす、おす

・『源氏物語』の女主人公
・海族系の女主人公
・古代の三大叙事詩/大国主命の求婚譚、国引きの歌、大祓の祝詞
・近代現代の文学を考えるうえでも大切な古代神話の研究
・『丹後風土記』の天女伝説/「奈具の社」の神と伊勢外宮の豊受(とようけ)神
・七月七日の棚機つ女(たなばたつめ)の信仰/誰もが持っている、母系の祖先への思い
・六条御息所の魂が抜け出るエピソードはどこから生まれたか
・古代の歌がもつ霊力/病床の天智天皇へ送られた歌

天の原ふりさけみれば大君のみ命はあまたらしけり 倭大后

歌の交わし合いと恋の成立

・魂の力を持つ女性に関わる「聖なる水」
・水を越えて訪れる神とそれを迎える女性の役割
・水と聖なる女性/浮舟
・『源氏物語』はレイプ小説ではない
・歌の交し合いと恋の成立
・理想的な男女の愛のあり方を伝えてきた古代の神話
・心長さと「思い隅なし」―神話の男主人公の姿

魂の感染教育と『源氏物語』

・魂の感染教育/歌と物語に込められた魂を語り継ぐということ
・大和魂(やまとだましい)と漢才(からざえ)
・光源氏と夕霧の違い/時代の変化を見据えた紫式部の教育観
・漢才にも通じていた平安時代の女性の教養―その心の深さ

・政治について多くを語らない平安時代の物語/『伊勢物語』、『源氏物語』
・『源氏物語』の構成の底に流れるものへ
・折口信夫が追い求めた『源氏物語』の原型・「原(ウル)源氏」
・『源氏物語』のなかの古代の神話的要素

値なき玉を抱きて知らざりし たといおぼゆる日の本のひと 三矢重松

コンテンツ名 源氏物語全講会 第93回 特別講義 『源氏物語』から読む日本人の心の伝統
収録日 2007年5月12日
講師 岡野弘彦(國學院大學名誉教授)

平成19年春期講座

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「源氏物語巻名歌」から

プロフィール

講師:岡野弘彦
(国学院大学名誉教授)

歌人。大正13年(1924年)、三重県に生まれる。國學院大學国文科に在学中より折口信夫に学び、雑誌「鳥船」に参加。折口の没年まで師事する。 昭和42年、処女歌集「冬の家族」で現代歌人協会賞を受賞。昭和54年から宮中歌会始の選者を努める。
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