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源氏物語全講会 | 岡野弘彦

プロジェクトのねらい

 21世紀はグローバルの時代。これまでの経済交流中心ではなく、異文化の相互理解の世界交流の時代を本格的に迎えています。
 ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が提起したように、経済力や軍事力のハードパワーを背景とするのではなく、文化力を通じて心と心の交流をはかり、世界理解と幸福を求めていく。この、いわば「ソフトパワー」ともいうべき総合文化力を高めることが、これからの時代、大変重要です。その意味で、伝統文化の数々から、最近のアニメ表現の人気に至るまで、「日本が面白い(クール・ジャパン)」――世界はいま「日本の総合文化力(ソフトパワー・ジャパン)」にとても期待を寄せているのです。 一方、経済学者のJ.K.ガルブレイス教授も、次のような見解を示しています。

 「日本は戦後の経済成功の意味を問い直す時期である。近代の産業経済に適用されてきた成功の尺度や進歩の基準はもはや陳腐化している。日本のこれからのあるべき進路はひとつ。これまでの価値観を転換して、生活の楽しみ価値追求のモデルを世界に示すべきである」(日本経済新聞 2003年1月3日)

 生活の楽しみ価値の追求。それは、具体的には、私たちの余暇生活において、スポーツ、芸術、文学、学問、その他多彩な趣味活動の中で、最高の文化価値を奥深く、より本質的に楽しむことを生活の中心に置くということではないでしょうか。

 中でも、私たちが自らの日本文化・芸術の価値を振り返り、そこに日本人の心の本質、人間の心の奥深さを探求していく生活は、「楽しみ価値の追求モデル」として最高のライフスタイルではないかと思います。そこで、私たちは、これからのインターネットを活用した生涯学習社会に相応しいe-ラーニング手法で、日本が世界に誇る古典『源氏物語』の本質的な価値とその多様な表現世界について、楽しくまた深く学びあう機会を「源氏全講会博物館(仮称)」として構築し、国内外に向けて発信したいと考えました。それが、本プロジェクトの原点です。この「源氏物語全講会」は、本居宣長・三矢重松・折口信夫と引き継がれた国学研究の流れを汲む岡野弘彦先生による総合文化力に敷衍した本格的な源氏物語の講義録です。日本人の根生いの心を訪ねゆく、この源氏物語全講会の講義内容が、国内外の源氏物語に関心を寄せられる方々に、また、日本人の美意識・美的生活の表現世界のありように関心を寄せられる方々にご参考にしていただけることを願っております。

2004年12月
中央公論新社
財団法人エンゼル財団

謝辞

本プロジェクト立ち上げに際し、これまで推進されてきた関係団体各位にあつく御礼申し上げます。
  なお、これまでのコンテンツは、國學院大學、財団法人國學院大學院友会、ならびに映像制作にご協力いただいた実践女子大学のご協力のもとに配信が可能となったものです。現在、この伝統ある「源氏物語全講会」は、講義回数を大幅に増やすために、岡野弘彦先生のご要請により、谷崎潤一郎訳『源氏物語』の刊行にあたられた中央公論新社とともに、当財団がご一緒に引き継いで開催させていただいております。
 また、当サイトにおける源氏物語の原文資料につきましては、渋谷栄一高千穂大学教授のインターネットサイトにて公開されている原文テキストを活用させていただきました。心より御礼申し上げます。
 当財団では、このコンテンツを、現代に生きる私たちの心豊かな生活文化創造のありようを考える教材として生かしていきたいと考えております。その活用方法を研究するプロジェクトの展開を考えております。

2004年12月
財団法人エンゼル財団会長 松﨑昭雄
財団法人エンゼル財団理事長 森永剛太

本コンテンツの制作・配信は、多くの方々のご協力により可能になったものです。これまでの経緯を、以下に記します。

コンテンツ名 岡野弘彦 源氏物語全講会
開催主体 財団法人國學院大學院友会(桐壺~若紫)/中央公論新社・財団法人エンゼル財団(末摘花~)
映像制作 実践女子大学生活文化学科生活文化研究室(桐壺~若紫)/財団法人エンゼル財団(末摘花~)/リベラルアーツ総合研究所
講義速記 斎藤喜久代
コンテンツ制作・配信 財団法人エンゼル財団/リベラルアーツ総合研究所

「源氏物語巻名歌」から

プロフィール

講師:岡野弘彦
(国学院大学名誉教授)

歌人。大正13年(1924年)、三重県に生まれる。國學院大學国文科に在学中より折口信夫に学び、雑誌「鳥船」に参加。折口の没年まで師事する。 昭和42年、処女歌集「冬の家族」で現代歌人協会賞を受賞。昭和54年から宮中歌会始の選者を努める。
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