僕は武蔵野市の若者の人口増加施策について、「交通」の面から考えてみました。武蔵野市が抱える問題のひとつに、「吉祥寺一極集中」があります。RESAS 地域経済分析システム(以下「RESAS」)で調べたところ、武蔵野市を訪れる多くの人が、吉祥寺周辺の施設を目的としていることがわかりました。
そして市内には吉祥寺・三鷹・武蔵境のJR中央線3駅があり、東西の移動は便利です。しかし、市域を南北に走る路線はありません。そこで、僕は武蔵野市を南北に縦断する新たな鉄道路線をつくれば、さらに交通利便性が高まり、吉祥寺だけでなく、市域全体に人々が足を運ぶようになるのではないかと考えました。
具体的には、武蔵野市を南北に貫く「LRT(次世代型路面電車)の新設」をはじめ、「総武線(各駅停車)の延伸」(現在は三鷹駅まで)といった鉄道網の整備によって、「中央快速線の混雑緩和」「建設工事による雇用創出」「再開発による人口増加」といった効果が生まれると思います。その結果、吉祥寺周辺だけでなく、武蔵野市全域が活性化すると考えました。
実際、栃木県宇都宮市と芳賀町を結ぶ「芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)」の開業(2023年8月)によって、市は900億円の経済効果があると試算しています。用地買収費用の問題などもありますが、LRTの敷設が実現すれば武蔵野市の大きな発展、人口増加が期待できます。これからもLRT新設の可能性について、自分なりに考えていきたいと思います。
小さい頃から鉄道が大好きで、いま鉄道研究部の部長を務めています。その鉄道の知識を絡めて、地域の人口問題を解決するアイデアを出すことができました。今回、はじめてデータサイエンスの授業を受けて、難しいと感じることが多々ありましたが、データに基づいて自分なりに様々なことを考察する作業は、とても楽しかったです。今後、自分の意見を主張する際、ちゃんとデータに基づく根拠を提示しながら、メリットとデメリットを説明して、論理的に相手を説得していきたいと思いました。
RESASの人口ピラミッドを見ると、2020年現在、武蔵野市は生産年齢人口(15~64歳)が最も多く、老年人口(65歳以上)と子ども(14歳以下)の割合は同等です。しかし、2045年には生産年齢人口が減少し、老年人口が大幅に増加すると予想されています。このことから、武蔵野市は若者が暮らしやすいまちづくりをしていく必要があると思います。
しかし、武蔵野市が実施したアンケート調査※では、「市政に意見を伝える機会があると思いますか?」という問いに対し、「あまりない」「全くない 」「わからない」と答えた人が半数を超えました。
※参照:「武蔵野市 市政運営の現状などに関するアンケート調査 集計結果分析」
平成 29 年 6 月 武蔵野市 総合政策部企画調整課
この状況を変えていくための施策として、中野区の取り組みが参考になると思います。中野区は、若者が地域でチャレンジできる環境整備の一環として、「若者会議」や「ハイティーン会議」というプロジェクトを実施しています。武蔵野市でもこうした取り組みを始め、若者の声が市政に反映されるようになれば、もっと若者にとって魅力的な街になるのではないでしょうか。
武蔵野市には吉祥寺を中心に若者が好むスポットや施設がたくさんあります。こうした利点を生かしつつ、若者の声を市政に反映していけば、きっと移り住みたいと思う人が増えていくはずです。時間はかかると思いますが、若者が市政に参加できる機会を増やして、若い人が集う街にしてほしいと思います。
武蔵野市には商業施設や公園も多く、若者が暮らしやすい環境はすでに整ってると感じています。しかし、「さらに若者が集まる街にするには?」という問いを立てて、「若者が市政へ参加する機会の増加」という答えにたどり着きました。今回、初めて「データサイエンス」という学問領域があることを知りました。そして、「データの分析」はおもしろく、自分に合っていると感じました。同じテーマを扱っていても、人それぞれ解決策が違うということも新鮮でした。いろんな意見を吸収できて、すごく充実した授業だったと思います。