世界に響くやまとことばの世界 宣長・折口、そして谷崎源氏 ~国学の系譜の中の源氏物語(岡野弘彦)
講演 「宣長・折口、そして谷崎源氏」~国学の系譜の中の源氏物語~
岡野弘彦(歌人・國學院大学名誉教授)
- 日本の伝統文化の核としての源氏物語
- 魂の感染教育としての古典
- 国学の系譜と源氏物語
1.日本の伝統文化の核としての源氏物語
(再生時間 15分12秒)
・日本人にとって源氏物語がなぜ重要か
・「不敬の書」とされた戦時下の源氏物語/谷崎潤一郎訳への圧力
・ねじ曲げられる古典へのアプローチ
蘆垣(あしがき)の隈處(くまど)に立ちて吾妹子(わぎもこ)が袖もしほほに泣きぞ思はゆ (防人歌)
・和歌と日本人
・久米氏、大伴氏の文学/言葉と言葉の戦いとしての歌
みつみつし久米の子らが粟生(あはふ)には臭韮(かみら)一本(ひともと)そねが本(もと)そね芽繋(つな)ぎて撃ちてしやまむ、撃ちてしやまむ (久米歌)
・神武天皇と伊須気余理比売(いすけよりひめ)
[大久米の命] 倭(やまと)の 高佐士野を 七(なな)行く 媛女(をとめ)ども、誰(たれ)をしまかむ。
[神武天皇] かつがつも いや先立てる 兄(え)をしまかむ。
[媛女] 天地(あめつつ) ちどりましとと など黥(さ)ける利目(とめ)
[大久米の命] 媛女に 直(ただ)に逢はむと 吾(わ)が黥ける利目
・物語の「物」と「語り」について/その霊的な力
・言葉は時代とともに下落する
2.魂の感染教育としての古典
(再生時間 6分01秒)
・折口信夫が『日本文学史』で論じた「魂の感染教育」
・語りによって、歌や物語のなかに宿っている魂が伝承されていく
・古典と若者とを結びつける仲介役としての教師の使命
3.国学の系譜と源氏物語
(再生時間 10分15秒)
・連歌師たちによる『源氏物語』注釈
・俊成「源氏読まぬ歌詠みは遺恨のことなり」
・僧侶や儒学者たちによる『源氏物語』批判
・地獄に落ちた紫式部/源氏一品経(いっぽんきょう)
・『源氏物語』を重視した国学者たち
・賀茂真淵の『源氏物語』宮廷講義
・本居宣長の「もののあはれ」と『源氏物語』
・折口信夫「いろごのみの道徳」
・「いろせ」「いろも」は古代日本人の理想の異性像
・『源氏物語』は仏教、儒教が渡来する以前の日本人の情熱を伝えている
コンテンツ名 | 「Genjiフォーラム・スペシャル 『源氏物語』と根生いの心 ~世界に響くやまとことばの世界~」 |
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収録日 | 2003年6月7日 |
講師 | 岡野弘彦 |
簡易プロフィール | 講師:岡野弘彦(歌人・國學院大學名誉教授) 肩書などはコンテンツ収録時のものです |
会場:東京・日本財団ビル大会議室 |
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