フィレンツェ・ルネサンスに学ぶ 歴史からみたルネサンス(樺山紘一)
講演 「歴史から見たルネサッンス」
樺山紘一 印刷博物館館長
ルネサンス:諸言語の饗宴(1)
(再生時間 17分45秒)
1.はじめに 現代日本の言語状況に鑑みて
- 「日本語の乱れ」をめぐって
- 英語の優位と多言語状況
- 新しい言語状況への対処、そのヒントとしてのルネサンス
2.ダンテ『神曲』と『俗語論』―イタリア語諸方言の確立
- ダンテは『神曲』をトスカーナ方言で書いた
- ダンテ『俗語論』の「俗語」とは
- イタリア語の14の方言を分析したダンテ
3.古典ラテン語の再発見―中世ラテン語からの刷新
- ローマ時代のラテン語と中世のラテン語との違い
- 時代とともに表現が平明になっていったラテン語
- ラテン語本来の姿への回帰志向
ルネサンス:諸言語の饗宴(2)
動画を見る(再生時間 14分09秒)
4.古典ギリシア語との遭遇
- 14世紀以降、ギリシア語の学習がブームに
- 古典ギリシアの文献を原文で読む
- フィチーノ『プロティノスの生涯と著作』
- アリストテレス『動物学』
- ギリシア語の活字が開発される
5.多言語聖書の挑戦
- ヘブライ語聖書『モーゼ五書』冒頭
- ヘブライ語の活字を開発
- ピコ・デラ・ミランドラら人文主義者もヘブライ語に取り組む
- コンプルテンセ版『多言語対照聖書』
- 4つの言語で聖書を対訳:ヘブライ語、アラム語、ギリシア語、ラテン語
6.近隣諸言語との交錯
フランス語、スペイン語、ドイツ語、アラビア語
- ルネサンスと諸言語のちから
- 異言語を学ぶ行為を通じて、自らの言語への理解が深まる
- 言葉についての感覚が研ぎ澄まされていったルネサンス
7.言語:社会文化的アイデンティティの拠りどころ
- 言語は互いの世界観、人生観を理解する手段
- 諸言語と母語との関係のなかから新しい文化的アイデンティティが生まれる
コンテンツ名 | ダンテフォーラム2008 「混迷の時代の叡智―フィレンツェ・ルネサンスに学ぶ」 |
---|---|
収録日 | 2008年3月15日 |
講師 | 樺山紘一 |
簡易プロフィール | 講師:樺山紘一(印刷博物館館長) 肩書などはコンテンツ収録時のものです |
会場:イタリア文化会館 |
さまざまな分野に精通し、経験、知識豊富な講師の方々をご紹介します。