DATA | |
学校 | 東京大学教育学部付属中等教育学校 |
実施年月日 | 2022年4⽉〜2023年3⽉ |
担当教員 | 東京⼤学教育学部附属中等教育学校・教諭 對⽐地覚 |
ゲスト講師 |
東京大学大学院教育学研究科 研究科長・教育学部長 小玉重夫 東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター・准教授 野澤祥⼦ 東京大学大学院教育学研究科・教授 北村友⼈ |
テーマ | 教育学 |
※学年や肩書などはコンテンツ収録時のものです。
こちらの学校は⽣徒の「⾃⼰の確⽴」をめざした中⾼⼀貫教育校。毎年、3年⽣と4年生(高校1年生に相当)の合同授業で探究的な学習を行っています。創作から社会、自然科学まで様々な12のテーマから興味のあるものを選んでグループを作り、週1回2時間で通年の授業を行いました。ご紹介するグループのテーマは「教育学ってどうよ?」。漠然としたイメージしかなかった「教育学」について、どんな学問なのか自分で調べたり学部の先生の話を聞いたりしながら探究していきました。
私は教養学部出身の理科教員です。今回の授業では、興味のあるテーマを見つけてとことん調べること、そして広いテーマの中から自分のリサーチクエスチョンを見つけていく過程が、生徒たちの成長につながればと考えました。また、当校は教育学部附属校であるにも関わらず、生徒たちが教育学についてきちんと理解していないという現状がありました。そこで、興味のある生徒たちに身近にいる教授の方々に直接話を聞く機会を作れればと思いました。
「教育学」にも様々な分野があります。⾃分がどんな分野・テーマに興味があるのか探究していきます。⼤学の教育学部にはどんな学科が設置されているのか、特別講師としてお招きした研究者の研究活動の話も聞きながらイメージを広げます。また、世界の教育事情を学ぶことで、⽇本の教育についても改めて考えました。
講義ではシティズンシップ教育についてお話ししました。⽇本の教育は進学のための知識習得に傾きがちですが、公共を⽀える市⺠を育てるのも教育の⼤きな役割です。政治や学問は専⾨家だけのものではなく、市⺠も主体的に関わるために学ぶことが⼤事なのです。
教育学の中からさらに興味を持った分野について情報を集め、⾃分の探究テーマを深めます。そして「なぜ、興味を持ったのか」、「何が問題なのか」、「さらに何を調べたいか」、テーマに対する問いをしっかり⽴てることで、探究や解決の道筋を明確にしていきます。得られた探究テーマは4枚のシートにまとめ、⽂化祭で発表しました。
私は発展途上国の教育や持続可能な開発のための教育について研究しています。途上国の経済的な貧困は⼦どもたちの教育にも深刻な影響を与えます。統計や論⽂なども上⼿に読み解いて、教育学もグローバルな視野で考えてもらいたいと思います。
ここまでの活動の講評と、今後の⽅向性や必要な調査などのアドバイスを受けました。さらに、資料や統計の収集のコツ、論⽂や⽂献の使い⽅、アンケート⼿法や統計分析のしかた、現場を取材するフィールドワーク、そして発表のためのグラフやチャートの⾒せ⽅なども学び、探究シートをさらにブラッシュアップしていきます。
私の専⾨は乳幼児の発達教育です。今回は乳幼児の教育について、そしてその観察法についてもDVDを⾒ながら紹介しました。乳幼児は様々なものを⾒て試⾏錯誤しながら成⻑していきますが、⾃分の視点で物事を⾒るというのは探究の出発点だと思います。
1⽉からは各⾃でアンケートやインタビューなどを⾏い、最終発表のための資料をパワーポイントで作成。2⽉21⽇の最後の授業では、作成した資料を使って⼀⼈ずつ発表を⾏いました。その中から3⼈に⾃分⾃⾝の探究と授業について感想を伺いました。
コンテンツ名 |
教育学ってどうよ? 東京大学教育学部附属中等教育学校 |
取材日 | 2022年4⽉〜2023年3⽉ |
取材 | 山崎玲子 |
監修 | 東京大学大学院教育学研究科・教授 北村友⼈ |