本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って シンポジウム 折口信夫・小林秀雄をめぐっての対話
【セッション3】折口信夫・小林秀雄をめぐっての対話
![okano_watanabe3A[1]](https://angel-zaidan.org/wordpress/wp-content/uploads/2003/03/okano_watanabe3A1.jpg)
シンポジウム
岡野弘彦 國學院大学名誉教授
渡部昇一 上智大学名誉教授
コーディネーター
松田義幸 実践女子大学教授・エンゼル財団理事
- 大和言葉と見えない世界のひろがり
- 魂を鎮める歌
- 文明の移り変わりと軽くなる言葉
- 魂の遊びと祭り
- 会場からの質問/折口信夫「海のまぼろし」
1.大和言葉と見えない世界のひろがり
(再生時間 20分11秒)
・知識ではなく、万葉の世界が見えた折口信夫
・『万葉集』をわずか3ヶ月で現代語訳
・宣長論の執筆前に折口信夫に合いにきた小林秀雄
・「宣長さんは、何と言っても源氏ですよ」
・内的な反省には外来の言葉は使えない
・空虚な標語にあふれていた軍国主義の時代
・言葉を身に着けるために東歌を暗記
・言葉は外から来る/ジーニアスの語源は守護霊
・魂と風/魂も外から来るもの
・魂(ソウル)の語源は海/ゲルマン人の魂は北の海に戻る
・万葉人が言葉にこめた力
笹の葉はみ山もさやにさやげども吾は妹思ふ別れきぬれば (柿本人麻呂)
・魂の交換の印としての古代の歌
2.魂を鎮める歌
(再生時間 9分38秒)
・死者の魂を鎮める和歌のちから
・天若日子(あめわかひこ)の神話
・挽歌/魂を完成させようとする歌の系譜
・大事にしなければならない怨霊信仰
・信仰を通じて豊かな神に浄化していった菅原道真の魂
・太平洋戦争で殺された人々の魂を鎮めるために
3.文明の移り変わりと軽くなる言葉
(再生時間 9分19秒)
・『イギリス国学史』について
・古い英語と今の英語では発音がまったく違う
・風を意味する英語のウィンドとゲルマン語のベェーエン
・古い言葉にはオノマトペア(擬声語、擬音語)が多い
・「ピカリ」から「ひかり」へ
・古英語の詩「ベーオウルフ」の響き
・文化が進むと言葉の角がとれて丸くなる
・ミヒャエル・エンデの『モモ』とオカルティズム
・日本に伝えられたのはオカルティズム抜きのシュタイナー教育論
4.魂の遊びと祭り
(再生時間 6分58秒)
・「遊ぶ」という大和言葉について
・吉野の桜の歌
咲きみちて胸せまりくる花の山
西行のごとく我は遊ばず (岡野弘彦)
・本当の魂の遊び/歌、舞、音楽
・祭りの興奮こそ「遊び」の凝縮、「遊び」の花
・祭りは命がけでやるもの
・日常とハレのけじめがなくなって一元化してしまった近代人
・聖なる感覚がなくなれば祭りは世俗化する
・感覚を取り戻すために、子供たちに和歌を暗記させる教育を
5.会場からの質問/折口信夫「海のまぼろし」
(再生時間 12分41秒)
・『万葉集』の成立について
・帰化人によって和歌表現がまとめられたのか
・万葉仮名以前の豊かな伝承の世界
・文字を知ることによって、伝承の能力が急速にしぼむ
・『古事記』の研究は宣長に読まれるまでずっと空白だったわけではない
・驚異的な力で『万葉集』を読み解いた賀茂真淵
東の野にかぎろい立つ見えてかえりみすれば月かたぶきぬ (柿本人麻呂)
・折口信夫が沖縄人について歌った歌「海のまぼろし」
静かなる あさけに起きて
床の上に おおき投げキス
我 ついにかくのごときか
我 ついにむなしく老いて
かくながら命おえなむ
庭のおもに なびこう霧の
ほのぼのと漂う上に
紫陽花の青き花むら
澄みすすみて 深海の色 見つつ
我が心ぞ痛む
南のうるまの海の沖縄の遠き空より
帰りこし わたの記憶
大わたの波にうけたる
航空路の帰航の青さ
人しらで わた中に 渦潮ぞなりめぐる
めぐり澄む 青一色
飛行機はそこに陥る
瞬間に見し紫陽花
戦いのなかりしときの沖縄の 海のまぼろし
戦いにやぶれし国の さすらいの老いのこの身の
取り返すものともあらぬ 青きまぼろし
・折口信夫と藤井春洋
・青は日本人の原初の色
| コンテンツ名 | エンゼル・フォーラム「日本人の心の源郷『日本語(やまとことば)』 ~本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って~」 |
|---|---|
| 収録日 | 2003年3月8日 |
| 講師 | 岡野弘彦、渡部昇一、コーディネーター:松田義幸 |
| 簡易プロフィール | 講師:岡野弘彦(國學院大學名誉教授) 講師:渡部昇一(上智大学名誉教授) コーディネーター:松田義幸(実践女子大学教授・森永エンゼル財団理事) 肩書などはコンテンツ収録時のものです |
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主催:エンゼル財団 |
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連載
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って はじめに
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って 私にとっての『古事記』(岡野弘彦)
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って 私にとっての『古事記』(渡部昇一)
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って シンポジウム 私にとっての『古事記』
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って 本居宣長をめぐっての対話(岡野弘彦)
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って 本居宣長をめぐっての対話(渡部昇一)
- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って シンポジウム 本居宣長をめぐっての対話
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- 本居宣長・折口信夫・小林秀雄を辿って 折口信夫・小林秀雄をめぐっての対話(渡部昇一)
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