エンゼル食ラボ おにぎり編
第2回「進化するおにぎりの未来」
日本人のソウルフード「おにぎり」はますます進化を遂げ、
今 海外でも注目されています。
おにぎりの現在と未来、それを通して日本の食文化を学びます。
コンビニによる おにぎり普及
昔から各家庭で作られていたおにぎりですが、
1970年代 コンビニエンスストアの登場により
おにぎりは「作る」ものから「買う」ものに変化しました。
写真提供:株式会社ファミリーマート
コンビニが生んだ新おにぎり文化
コンビニ各社は、鮭や昆布など定番おにぎりに替わる人気おにぎりの開発を目指し、進化系おにぎりを次々と生み出しています。
コンビニを観察すれば、おにぎりの最新事情がわかります。
●コンビニおにぎりのトレンド①
贅沢な具材を使った「ごちそうおにぎり」
天然真鯛おにぎり |
●コンビニおにぎりのトレンド②
雑穀米などを使った「健康系おにぎり」
もち麦入りおにぎり |
●コンビニおにぎりのトレンド③
三角形ではない「変形型おにぎり」
スティックおにぎり |
●そして、コンビニの人気おにぎり第1位は「ツナマヨ」
ツナマヨ
SNS普及による おにぎりの進化
海苔にご飯と具材をのせ四隅をたたんだ握らないおにぎり「おにぎらず」が
2014年にSNSを中心にブームになりました。
それにより、おにぎりの自由度が一気に増し、人々のおにぎりへの創意工夫がさらに高まりました。そうした中で、進化系おにぎりが各家庭でも作られるようになりました。
おにぎらず
●高級食材を使った贅沢なおにぎり「ごちそうおにぎり」
キャビアおにぎり
●カラフルな食材で飾った SNS映えするおにぎり「デコおにぎり」
おにぎりでSDGs
本来食べられる食品が捨てられることによる損失「フードロス」は、
SDGsでも掲げられている世界で取り組むべき問題の1つです。
食料廃棄を減らすために、余った食材をおにぎりの具材として活用することを
おにぎり協会の中村祐介さんは提案しています。
海外で注目される「ONIGIRI」
近年、おにぎりは新しい食べ物として世界中で注目されています。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に、次々とおにぎり専門店がオープンし、各国の食習慣に合ったおにぎりが根付いてきています。
ドイツのおにぎり専門店
ドイツのおにぎり
(サーモンとプラムの煮付けのマヨネーズ和え)
香港のおにぎり
(茹でたザリガニとキュウリのマヨネーズ和え)
おにぎりの未来
おにぎりは寿司のような流儀がないフリースタイルな食べ物です。
今日までバリエーションは増え続け多様化しているおにぎりですが、
人々の創意工夫でますます進化を遂げていくのではないでしょうか?
おにぎりの未来について考えます。
「高校生和食料理コンテスト」で高校生たちが開発した進化系おにぎり
(写真提供:東京すし和食調理専門学校)
串刺しおにぎり | 揚げおにぎり | みかんに見立てたおにぎり |
2回に分けて、おにぎりの日本における歴史から、地域文化、世界への広がり、そして 未来をお伝えしました。みなさんも、これからおにぎりを手にした時に、日本の食文化や、未来の世界に思いを馳せながら食べると、一層味わい深いかもしれませんね。
コンテンツ名 | エンゼル食ラボ おにぎり編 第2回「進化するおにぎりの未来」 |
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収録日 | 2021年12月2日 |
講師 | 増淵敏之 法政大学大学院政策創造研究科教授 中村祐介 一般社団法人おにぎり協会代表理事 |
簡易プロフィール | 増淵敏之 法政大学大学院政策創造研究科教授(文化地理学) 肩書などはコンテンツ収録時のものです |
さまざまな分野に精通し、経験、知識豊富な講師の方々をご紹介します。