アスリートに聞く-朝原宣治(陸上)
「スポーツと自分」をテーマに置きながらトップアスリートに様々なお話を伺い、「選手の生(なま)の声」から、スポーツの魅力、スポーツの基本・本質を探るシリーズの第2弾。勝ち負けや結果の向こうにある、より本質的にスポーツに関わる視点 をとらえます。
今回は、世界の舞台で活躍を続ける陸上競技100mの朝原宣治(あさはらのぶはる)選手にお話を伺いました。 独自のスタイルで、自分で試行錯誤しながら最高のパフォーマンスを求め続けてきた朝原選手の「スポーツと自分」とは―
トップアスリートへの道
陸上との出会い、そして海外へ
(再生時間 10分20秒)
朝原選手が陸上競技を始めたのは高校から。少年時代、友達と公園などで自由に走り回ったりボール遊びをしたことが、その後のスポーツの原点になっているようです。海外での生活経験、トレーニング文化の違いなどを自分史から語っていただき、現在の「スポーツと自分」の背景にあるものを探ります。
- 陸上競技を始めたきっかけ
- 今の小学生・中学生のスポーツの環境について思うこと
- 「日常の暮らし方」と「走ること」との関わりを意識するようになったのは?
- 外国での生活経験:ドイツとアメリカ
- トレーニングの考え方の違い
- 「オーバートレーニングをしない」が第一優先。話し合いの重視を経験。
「走り」を分析する
イメージする走りと感覚とのズレ、そして一致
(再生時間 14分23秒)
世界最速の走りを分析します。「より良い走り」を求めていくプロセスの中で、大切にしたい基本の考え方を伺います。
「若い頃は映像と自分の感覚とをすりあわせて確認をするのですが、それが結構ズレていました。でも最近は、自分でこう走っているだろうという感覚と映像が一致してきているので、感覚がよければうまく走れます」「やはり重心の移動なんです。一番の重要なことは」
- 自分の感覚とイメージと実際の走り、その3つの関係は?
- 科学的なデータの活用は? とらわれる? とらわれない?
- 人類最速の瞬間。ドノバン・ベイリー秒速12m超えの走りを分析
- 一番スピードが出ているときの感覚とは?
- 他のスポーツや外国の選手を見るときポイントにおくことは?
- 「スポーツと型」
- 100mレース後半に伸びる秘訣。レース全体の設計。
- 自分の競技だけにとらわれない広い視野からの新しい発見とは?
陸上競技、こんな風に見てほしい
結果にいたるプロセスに走る魅力がある
(再生時間 15分38秒)
勝ち負けや結果だけを見るのではなく、陸上競技を「こんなふうに見てほしい」「こんなところが魅力だ」という視点を、選手の立場から語っていただきます。
「以前であれば、『勝った』『記録が出た』ということだけでよかった。しかし今は、わけがわからないまま記録が出ていたというのは納得がいかない。そこにいくまでのプロセス、自分自身をコントロールする楽しさ、そういうのがあって初めて走る喜びになっているので、ただ結果だけではないのです」「適当に走って負ける、というのがすごくいやです」
- 選手の立場から言って、こんなところを見てほしいということは?
- 外国と日本のスポーツ文化の違い
- 100メートル競技の見方
- 「走る」ということの魅力
- あこがれに思う「美しい」走りとは?
- 成功と失敗は紙一重。一番大切なのは何か。
- 「教える」という立場にたった時に、一番ポイントに置きたいことは?
- 「走ること」が、やはりすべてのスポーツの基本。
朝原宣治著
『朝原宣治のだれでも足が速くなる』
(学習研究社 2007)
「足が速いのは素質じゃない」
朝原宣治流かけっこ8つの極意を収録
速く、きれいに、楽しく走るための秘訣が満載
さまざまな分野に精通し、経験、知識豊富な講師の方々をご紹介します。