アスリートに聞く-後藤正規(バスケットボール)
トップアスリートが語る「スポーツと自分」。
勝ち負けや結果の向こうにある、より本質的なスポーツの魅力に
ロングインタビューで迫ります。
今回、お話をお聞きするのは、バスケットボール元日本代表の後藤正規さん。
現役時代はチームメートから「シュートの職人」と頼られ、いまもバスケットボールファンのあいだで「伝説のシューター」と呼ばれています。
常に高みを目指し、自らを磨いてきた後藤さんにとって、「スポーツと自分」とは ―
バスケットボールとの出会い
小学、中学、高校そして大学のバスケ部へ
(再生時間 11分22秒)
後藤さんのバスケットボールとの出会いは小学生の時。
新しく赴任してきた先生に強引にスカウトされたのがきっかけ。
「その先生と出会っていなければバスケットボールは やっていなかった」
- いろいろなスポーツに取り組んだ幼少期
- はじめての試合で大敗/その悔しさが原動力に
- ロングシュートが楽しい/シューターとしての原点
実業団の選手として
「本当の自分」との出会い、そして引退の決意
(再生時間 8分42秒)
思い通りのプレーが出来るようになったのは意外にも20代後半。
実業団での活動を通しての成長過程について。自己意識の高まり。
「上手くなりたいという思いが全ての原点。30歳を過ぎて上手くなる選手もいる」
- 自分のプレーを模索していた20代前半
- 何歳になっても上手くなれる/20代後半シューターとしての成長
- “バスケットボール観”は年齢を経ないと養えない
- 引退へ/自分のプレーに違和感
バスケットボール技術
後藤流シューティング論とスランプ脱出法
(再生時間 10分14秒)
上手くなるためにどんな努力をされたのでしょうか?
シュートが入らないスランプのときの対策は?
「シュートがダメだった試合の後は、何も考えずにひたすら打ちます」
- シュートの動作は下半身から/しっかり止まってシュートを打つ
- はいったシュートでも納得できないシュートがある
- 自分の感覚に敏感になるために「何も考えずに」打つ
- シュートの鍵をにぎる人差指の指先感覚
- シュートが不調の時は、正面・左右・後ろにビデオカメラをおいて自己分析
選手としての資質
トップシューターとして必要なものとは?
(再生時間 4分35秒)
優れたシューターに求められるものは何か?
後藤さんの考えるトップシューターとしての資質。
「鈍感な人は良いシューターになれないと思うんです。入らなかったシュートには原因があります。どこがおかしかったのか、自分の感覚で修正できないとダメです」
- 最初はうまいひとのまねをすることから
- 一流シューターの共通点/フォームの美しさ
- シューターには鋭い感性が必要
- 子ども達には「競技に走らない」ことをすすめたい。まずは「楽しさ」を味わって
アイシンのキャプテンとして
結果とともに上昇するモチベーション
(再生時間 4分54秒)
キャプテンとしてチームを率い、弱小チームから常勝チームへの変革に貢献。
強くなるためには選手同士がぶつかり合うことも大切だという。
「時にはコーチも含めてぶつかり合いながら、コミュニケーションをとる」
- モチベーションの加速/結果が伴うようになると個々の意識も高くなってくる
- チームメートとの絆/バスケットができることへの感謝が基本
- 問題があれば当事者同士で話し合う
- 外国人選手とのコミュニケーション術
コーチング
自分が教える立場になってみて思うこと
(再生時間 7分25秒)
現在は教える立場にある後藤さん。
自らの選手時代と比較しながらの感想、そしてジュニアクラスのコーチングについて伺いました。
「早い段階でさまざまな他競技のトップアスリートと出会うことが重要」
- 子供達には遊び感覚でバスケットの楽しさをつたえたい
- 有能感 ― 最初はとにかくほめることからはじめる
- きっかけとしての成功体験を子供にもたせることが大切
現役時代の日々の生活
トップアスリートの日常生活
(再生時間 7分02秒)
トップシューターとして現役生活を送ってきた後藤さん。
アスリートとしての日常生活について。
「朝起きた時ってやっぱり大事ですね。気分ではなく感覚の問題として」
- 食事は好き嫌いせずバランスよく
- 練習は1日3回、チーム練習とセルフ練習
- 1ゲーム終わると体重が3kg落ちる
- バスケットシューズの選び方/シューズは1カ月もたずに交換する
- 怪我をしなかった理由
- つねに爪の長さを一定に保ち、マニキュアを塗る
バスケットを見る視点
選手から見たおススメポイント
(再生時間 2分28秒)
バスケットはここを見ると面白いというポイント。
「シュートを決めた人は確かにすごい。でもそこにはパスを供給するひとや、シューターをフリーにするために動くひと、邪魔にならないために我慢して止まっているひとがいる。そういうひとたちの協力が美しいと思います」
- “1つのボールをどうやって工夫してリングに入れるのか”、ということがバスケットを見るポイント
- ボールを追うのではなく、ボールのないところでどんな動きがあるのかを見てほしい
- シュートを打つためにアシストする「黒子」の姿が美しい
DVD『後藤正規のシューティング・スキル GOTO’s Shooting Skills by Goto Masaki 』
全2巻 (特定非営利活動法人 スポーツ指導者支援協会)
「シュートの職人」とも言うべき、元日本代表の後藤正規氏を迎えて行われた、シュートに関する座学&実技講習会(全4時間分)を収録
さまざまな分野に精通し、経験、知識豊富な講師の方々をご紹介します。