アスリートに聞く-谷川聡(陸上)
スポーツの魅力の深さへ
「遊びで走る」から「競技者として走る」へ。そのプロセスの中の自分の変化。トップ・アスリートという立場から見えてきたもの。全体を通して感じる「遊び」の大切さ。今までに出会った「スポーツの中の自分の最高の状態」とはどのようなものか。イメージの中にある「最高の走り」と自分との闘いとは etc.
――「ワークとしてのスポーツ(つまり、やらされてやる)」ではなく、「(深い意味での)遊びとしてのスポーツ」という視点を背景に、スポーツの本質的魅力について、語っていただきました。
谷川聡ロングインタビュー「スポーツと自分」を語る
第1部 スポーツの本質的魅力
競技としてのスポーツへ[1]
ジョイレス・スポーツへの反発
「小中学校の頃は、それをやれ、あれをやれといわれてやることにすごく反発があったというか、やらされるのはとにかくいやだという、本当にへそ曲がりのタイプでした」
2.競技としてのスポーツへ[2]
怪我をきっかけに道が拓ける
「大学時代、普通によい成績を残していたら、競技をやめて会社員になっていたと思います。スポーツの世界でもっとも大切なのは、その人が今までどういう経験をしてきたかということです」
3.競技としてのスポーツへ[3]
日常生活の中にコツがあります
「走るという単純な動きは日常的に使うものなので、そのコントロールをどう変えていくかというのは日常生活にあります」
4.ジョイフル・スポーツへの気づき
日本と諸外国とのスポーツ観の違い
「日本人はスポーツの敷居を高くしてしまっている。楽しむ人たちもOK、一生懸命やる人もOK、だれでもやっていいよという空気が作れないのです。それは体育的な文化の負の面、よい側面、両方があるのです」
5.スポーツ・コンテンツへの期待
「みてわかる。やってわかる」動画・音声つき教材開発
「一流というか、超一流を見ると美しいと感じる瞬間があると思うのです。それをみて体を動かして楽しいというきっかけになるような、あらゆる世代の人にもやってもらえ、試してもらえるコンテンツになれば良いかなと思っています」
第2部 自らの競技を語る
1.イメージの中にある「最高の走り」と自分との闘い
- 周りがどうだというより、自分自身をどう高めていくか
- 自分の最高の状態と表裏一体の怪我
「すごくよい時というのは、一瞬ではなくて、すごく時間を長く感じる。もう止まっている、自分の動きがゆっくり動いているような感じがします。終わったあともけっこう細かいところまで覚えているのです」
「ハードルを跳ぶときも、動きながら手足を大きく使うのではなくて、短く使うという言い方をするのですけれども、大きく動かしているように見えて、短い手足を使っている感覚になるとすごくよい状態になるのです」
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