連載 今道友信 ダンテ『神曲』連続講義

『神学大全』や『神曲』はヨーロッパ文化に大きな影響を与えた古典です。それらを通して西洋文化を見つめます。

「ダンテ『神曲』連続講義」は『神曲』を学ぶ意味、古典(classic)に学ぶ・ヒューマニズムの体得・西洋文化を学ぶ、から説き起こします。そして、西洋文明の源流に関わるホメロスについて、展開していきます。

ホメロス、キケロ、ウェルギリウスについて復習してから、ダンテを読むにあたって知っておかねばならない最低限のキリスト教についての準備を解説していきます。そこでは、ローマの社会情勢、聖書について、説いていきます。

ダンテに関する辞書的事実、『神曲』の日本語訳について説明してから、「神曲 地獄篇 第一歌」を読み始めます。そこでは日本語訳の比較がされ、今道訳を紹介していきます。

前回の復習の中で今道先生は「史実ではなく「詩」実を学ぼうという態度」と説き、地獄篇第二歌を読み始め、第三歌地獄門に続きます。そして、地獄門碑銘の解説を行います。

地獄門碑銘の解説が続きます。そこでは地獄、イマジネーション(想像)の本質、地獄のイメージと道徳教育について語られます。そして、地獄の構造の思想的背景が説明され、死者ミサが歌われます。なお、死者ミサは数年後、再録されています。

地獄の構造の説明から、『神曲』全体から見た地獄篇の構造的特色、機能について、講義は展開していきます。さらに、地獄の旅がいつだったかを説明し、辺獄を解説します。そして、最後にダンテの詩の読み方を語り、「地獄篇」は終わります。

これまでの講義を振り返ってから、地獄と煉獄との差異についての解説から始まります。そこでは星の有無も語られ、地上の空と煉獄の空の違いについても言及されます。さらに地獄・煉獄・天国の実在性を論じ、煉獄で暮らす霊についても触れていきます。

地獄と煉獄との差異の復習が行われ、煉獄を描くことの革新性が説かれ、地獄とは逆の傾斜であることを説明します。そして、煉獄の意義を解説し、宗教の本質についても言及し、ダンテの宗教観を解説します。

煉獄は七つの罪の層に分けられると説明し、それは第十歌から第二十七歌にかけて書かれていると解説します。そして、ダンテの詩の形式について講義します。最後に煉獄篇第九歌を読んでいきます。

講義の前半では煉獄の旅は続いています。第三十歌でヴィルジリオが消えベアトリーチェが登場すると天国篇へと向かうことになります。そして天国篇第一歌を読み、解説します。

叙事詩について解説し、天国篇第一歌を読み始めます。そして、天国が理性を超えた神秘性の世界であることを意識するため第二歌を読んでいきます。さらに第九歌では「九」が非常に大事な数であることを説明し、最後に第七歌で歌われているキリスト教の根本問題について触れて終わります。

天国の構造に触れてから第六歌を読み始め、ダンテの歴史解釈方法に説明し、第七歌を通してキリスト教の根本問題について解説していきます。そこでは、原罪と自罪、キリスト教の十字架、復活の問題が取り上げられます。最後に、第一天(月光天)、第二天(水星天)、第三天(金星天)、第四天(太陽天)の説明をしていきます。

キリスト教の根本問題について復習してから、賢慮について語り、第十三歌に入っていきます。そして第四天(太陽天)について触れてから第五天(火星天)、第六天(水星天)、第七天(土星天)、第八天(恒星天)を講義していきます。

連続講義の最終回は『神曲』全体の構造と天国全体の構造を講義していきます。特に第六天(木星天)、第十天(至高天)について詳しく論じます。そして、「天国は、祈りつつ考える場所であるのだ、ということを、われわれはダンテから教わることになるのではないかと思います。」で結ばれます。

【講師からのメッセージ】

今道友信

インターネットでの連続講義配信にあたって
今道友信からのメッセージ

  • ダンテ『神曲』講義の経緯について
  • 著書『ダンテ「神曲」講義』(みすず書房)について

収録:2004年10月19日 (財)エンゼル財団にて


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