伊豆下田・爪木崎の自然 冬の海岸植物
冬の海岸植物
「今日はお昼過ぎから約2時間の予定で、2キロメートルくらい歩きます。まず、爪木崎の近くの駐車場から海岸沿いの歩道を歩いて、海岸の植物を観察します。それから少し丘の斜面を登って樹林の中を歩き、森と樹木の観察をしてから駐車場に戻る回遊コースです。冬の寒さに耐えながら、春の準備に入った植物が楽しみです。」(近田先生)
あたたかい日差しにつつまれた冬のある日、植物学者の近田文弘先生にご案内をいただき、伊豆半島・下田市にある小さな岬、爪木崎の海岸を歩きました。
観察のポイント
1)大きい自然から小さい自然へ目線を移して観察します。
2)動けない植物がどうやって生きるのかなど考えながら観察します。
3)時々スケッチして観察と記録をします。
4)スケールを使って測定してみます。
5)観察していままで知らなかった植物のことに感動できたら成功です。
1.さあ出発!
(再生時間 6分)
ポイント:遠くから植生をみる
まずはじめに、丘の上から地形や植生を眺めます。
植物が生える環境を大きく理解するためです。
・植生図の活用
・生きている樹と枯れた樹
2.中景でみる
(再生時間 3分)
ポイント:樹木や草の群落を観察
樹木や草の群落を観察します。
植物の身近な環境を理解します。
・ 生き残るために高さを競い合う樹
・ 孤独なクロマツ
3.近づいて観察
前半
(再生時間 13分)
後半
(再生時間 15分)
ポイント:海辺のいろいろな植物を間近で観察
植物個体や枝に付いた葉や花を観察します。この時スケッチをします。それによって植物を詳しく観察し、記録して記憶に深くとどめることができます。さわってみることも大事です。
ルーペを用いて植物のミクロの世界も見てみましょう。
[近づいて観察 前半]
・ハマダイコン
・カイガンマサキ
・ハマユウ
・カジイチゴ
[近づいて観察 後半]
・イワタイゲキ
・ハマゴウ
・ハマアザミ
・ヒメカジイチゴ
・トベラ
4.森の観察
前半
(再生時間 5分)
後半
(再生時間 12分)
ポイント1:海岸の植物と林の植物の違いに着目
ポイント2:樹林の測定に挑戦!
樹林で樹木の本数や高さを測定します。
数値で自然を調べると見えてくる世界があります。
・ナツボウズ
・マンリョウ
・10メートル四方の樹木を数える
5.観察を終えて
(再生時間 3分)
自然観察会を終えて爪木崎の駐車場へ戻ってきました。
バスを待つあいだ、参加者で感想を語りあいました。
コンテンツ名 | 森永エンゼルカレッジ子育て支援研究フォーラム 「自然がどんどん見えてくる 近田先生と行く植物観察会」 |
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収録日 | 2008年2月10日 |
講師 | 近田文弘 |
簡易プロフィール | 講師:近田文弘(国立科学博物館名誉研究員) 1941年新潟県生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。国立科学博物館植物研究部室長など歴任。専門は植物分類学で種子植物の系統分類、植物相の研究が主。その他、博物学、樹木学、植生学、民族植物学、景観学、環境科学、地球環境論、自然保護、自然観察など幅広く関心を寄せる。山野の押し葉標本を収集。自らの足で歩いて、自然を「観る」ことを推奨する。 肩書などはコンテンツ収録時のものです |
制作・著作: 財団法人エンゼル財団 |
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