⑥夏のちいさな生きもの

身近な自然観察 ⑥夏のちいさな生きもの

夏は虫たちにとって楽しい季節。都市部で生きもののための多様な環境づくりをしている公園に行き、小さな生きものたちを観察する方法 ・ポイントをご紹介します。

身近な公園にいるちいさな生きものたちを観察してみよう!(20分)

制作:NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク
監修:世田谷区生物多様性アドバイザー 山崎 裕志

 

夏に自然観察をするときの服装

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夏に自然観察をするときは、草にかぶれたり、ヤブ蚊にさされないよう長袖のはおれるはおれる服を服を着ましょう。ツルツルした素材がいいですよ。帽子もかぶりましょう。

 

ビーティングネット(たたき網)を使って昆虫を観察してみよう

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木を竹の棒でたたいて落ちてきた虫を観察します。

 

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ヒゲナガカメムシ

 

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ハリカメムシ

 

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自然観察の注意点
ビーティング中にハチ・ドクガ・イラガなどがいたら、毒があるので触らないようにしましょう。

 

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クモガタテントウ

 

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シリアゲアリの仲間。アリは、ハチの仲間でシリアゲアリは、お尻にハリを持っています。

 

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キバラヘリカメムシ

 

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自然観察のルール
生きものにはそれぞれ食性もあり飼育が難しいことがあります。観察が終わったら元いた場所に放してあげましょう。

 

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アオドウガネ

 

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オオスカシバの幼虫

 

環境の多様性が生きものの多様性につながっていることを観察しよう

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自然観察のポイント
植栽されたエリアから、草地エリアへと移動していきます。
環境によって見つかる生きものが違ってくることを観察していきましょう。

 

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ツマグロキンバエ

 

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ちいさな生きものもよく見るとおもしろい発見があります。ツマグロキンバエはハネの先が黒くなっているのも観察できました。よく見ていると口の先を長く突き出して、蜜を吸っていました。

 

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糞虫(フンチュウ)コブマルエンマコガネ
食べるものがなくなって、いまや絶滅危惧種。カエルの糞などを食べています。

 

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コフキコガネ

 

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ナミテントウ

 

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クビキリギス

 

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敷地の中には、森、草地、池があります。
森は、クヌギ・コナラといった落葉樹の多い明るい森と、シラカシ・スダジイといった常緑樹の暗い森に分けて管理しています。
池は、明るい池と暗い池のふたつに分け、草地は草の背の高さを変えて管理しています。
明るい、暗いといったちょっとした違いであっても、環境の違いによって棲む生きものは違ってきます。
いくつかの環境の違いを作ると、それぞれの環境にあった違う生きものが生息します。
環境が多様になれば、生きものも多様になるのです。

 

マント・そで群落

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林縁にツル植物などが絡まり、茂っている環境を生態学的に「マント・そで群落」と言います。自然の野山では、こういった環境が一定に保たれていますが、普通、都市公園ではきれいに整備されてしまいます。
この公園では、こういった環境を、多様な生きものが生息できるように意識的に保全しています。

 

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林のヘリの部分(林縁)は植物の種類が多いので、生きものの種類も多くなるのです。

 

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ヒキガエル

 

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クロイトトンボ

 

生物多様性を保つために

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枯れた木を根元から切らないで、少し残すことによって、いろいろな生きものの繋がりを保つことができます。枯れた木にカミキリムシが穴を開けています。カミキリムシの幼虫がはいっているとわかると、コゲラ(キツツキ)がやってきます。少しの枯れ木にいろいろな生きものが集まってきます。

 

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ツマキシャチホコ

 

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コカマキリ(茶色のものが多く緑色はめずらしいです)

 

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自然観察のポイント
エサや、落とし穴をしかけて昆虫を集めて観察することも試してみましょう。

 

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ヒゲジロハサミムシとオカダンゴムシ

 

捕虫網を使って昆虫を捕まえてみよう

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草の上で捕虫網を振るだけでたくさんの虫が網に入ってきます。

 

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オンブバッタ

 

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クマゼミの声が聞こえます。クマゼミは元々西日本に多く生息し、東京で声を聞くことはありませんでしたが、温暖化の影響か、近年東日本でもよく見られるようになりました。

 

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キタキチョウ

 

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アブラゼミの抜け殻

 

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ショウリョウバッタ

 

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ホシミスジ
(関東では山野で見られるチョウでしたが、最近都区部でも確認されるようになりました)

 

今ある自然を大切にしよう

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この自然庭園は、100年以上の歴史があります。長い年月にわたって緑がある環境では、たくさんの生きものが観察できます。短い期間ではこのようにはいきません。
みなさんの身近にある自然環境を大切にすることによって、たくさんの生きものが生息し、生物多様性が生まれ、維持されるのです。

 

観察した夏のちいさな生きもの

2021年7月25日(日)AM10:00~PM12:00
東京都世田谷区
桜丘すみれば自然庭園
ヒゲナガカメムシ
ハリカメムシ
クモガタテントウ
シリアゲアリの仲間
キバラヘリカメムシ
アオドウガネ
オオスカシバの幼虫
ツマグロキンバエ
糞虫(コブマルエンマコガネ)
コフキコガネ
ナミテントウ
クビキリギス
ヒキガエル
クロイトトンボ
ツマキシャチホコ
コカマキリ
ヒゲジロハサミムシ
オカダンゴムシ
オンブバッタ
キタキチョウ
アブラゼミの抜け殻
ショウリョウバッタ
ホシミスジ

 

夏のちいさな生きものの観察に便利な図鑑

・『ポケット図鑑 日本の昆虫 1400 ① チョウ・バッタ・セミ 』 文一総合出版
・『ポケット図鑑 日本の昆虫 1400 ② トンボ・コウチュウ・ハチ 』 文一総合出版

昆虫に初めて興味を持った子どもから、ある程度の知識のある大人まで、幅広い層を満足させる図鑑。白バックの生体の写真が迫力があり、色もよくわかる。

 

・『イモムシ ハンドブック』 文一総合出版
・『イモムシ ハンドブック②』 文一総合出版
・『イモムシ ハンドブック③』 文一総合出版

2010年に最初の「イモハン」が出版され、2012年に②、2014年に③、と次々続編が登場。
2019年には「イモムシの教科書」も出版され、イモムシの全てが解説されているようです。
その他、文一総合出版のハンドブックシリーズのハムシ、テントウムシなどは、ちいさな生きものの観察に便利。

 

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コンテンツ名 身近な自然観察 夏のちいさな生きもの
収録日 2021年7月25日
講師 講師:山崎裕志
簡易プロフィール

講師:山崎裕志
(世田谷区生物多様性アドバイザー)

肩書などはコンテンツ収録時のものです

制作:NPO 法人せたがや水辺デザインネットワーク
監修:世田谷区生物多様性アドバイザー 山崎裕志
主催:一般財団法人森永エンゼル財団

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