④生きものの冬越し

身近な自然観察 ④生きものの冬越し

寒い寒い冬。木々も葉を落とし花もありませんが、ちいさな生きものたちは、大きな石や落ち葉の中、木々の幹などを利用して、人の生活のすぐ近くで冬越しをしています。この動画では、身近な場所で見られる生きものたちの冬越しのようすや、観察のポイントを紹介します。

身近な場所で生きものの冬越しを見てみよう!(15分間)

制作・監修:NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク
 

 

身近な場所でも生きものの冬越しを観察できる?

普段の通学や買い物の時になにげなく歩いている住宅地や駅のまわりで、ちょっと足を止めて街路樹や花壇をそっと見てみましょう。

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木々に小さな芽がついているところや、落ち葉の下の小さな生きものたち、たくさんの種類の虫などを観察することができます。

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今回の観察フィールドは世田谷区玉川・瀬田周辺。駅前には大きなビルが立ち並び、そのまわりには住宅地が広がっています。それでも、緑道に植えられたさまざまな木々、家の庭木やビルのまわりに植えられた木々など、いろいろな種類の緑が見られます。

 

生きものの冬越しの観察をする前に

 
●冬の自然観察の服装

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寒さ対策をしっかりとしましょう。
ツルツルした素材の服を着ることで、草の実や枯れ草などが服に付くのを防ぐことができます。
冬でも水分補給は大切です。あたたかい飲み物などがあるとよいですね。

 
●あったら便利な道具

根堀り・シャベル・せんていばさみなど。

 

観察のルール

 
●重いものを動かす時は、大人と一緒に

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元通りに戻せるか考えてから動かしましょう。

 
●生きものの越冬環境をこわさないようにそっと観察しよう

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動かした石や落ち葉は、かならず元通りに戻しましょう。

 
●人の家の周りを観察する時は、その家の人に聞いてから

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●知らない生きものは触らない(毒があることがあります)

●水の中の生きものを観察する時は大人と一緒に

●歩行者や自転車・車に十分気を付ける

 

観察のポイント

 
●生きものの冬越しに大切なこと

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木には、冬のあいだ葉を落とす「落葉樹」と、葉を落とさない「常緑樹」があります。全部の木の葉が落ちてしまったら、生きものたちのかくれる場所がなくなってしまいます。
「落葉樹」と「常緑樹」が一緒に生息していて、生きものたちにとっていろいろな環境があることが大切なのです。

 
冬のあいだ葉を落とす木も、よく観察すると春の準備をしています。

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「花芽」は春になると花になります。

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「葉芽」は葉になります。

 
●物かげには冬を越す生きものたちがいます

大きな石の下や、家の軒下などのすき間にかくれて、冬の冷たい風から身を守っている生きものたちをさがしてみましょう。

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大きな石をひっくり返してみたら、アリの道がありました。

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土の中にいたのはカナブンの幼虫です。

 
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家のまわりをさがしてみたら、戸袋の下にキイロテントウムシの成虫がいました。

 
●落ち葉は小さな生きものたちのおふとん

落葉樹の落ち葉をどかしてのぞいてみましょう。

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落ち葉の下にアメイロケアリがいました。

 
●土の上に落ちている木の実も観察してみよう

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穴があいている木の実を見つけたら、中に生きものの幼虫がいるかもしれません。

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ガやゾウムシの幼虫が、ドングリの実をエサにして冬越ししているようすを見ることができました。

 
●木の幹でも生きものが冬越ししています

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ケヤキの幹のはずれそうな皮をめくってみると、小さな虫たちが身を寄せていました。

 
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オオカマキリの成虫は冬を越さずに命を終えますが、秋に卵を産むことで翌年の春へと命をつなげます。

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卵はさわってみるとスポンジのようになっています。空気をふくむことで、冬の寒さから幼虫を守ることができます。この中には200〜300個の卵が入っています。

 
●植物たちの工夫

やぶの中を通ってくると服にたくさん植物が付くことがありますよね。植物はそうやって種を遠くに運んでもらうことで、いろいろな場所で命をつなぐのです。

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ロウバイの実は下に穴があいていて、風がふくとそこから種が落ちるようになっています。

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モミジの種は、風にのってクルクル回転することで遠くの地面に落ちます。

 
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ナンテンやセンリョウなどの赤い実や、クチナシのあざやかなオレンジ色の実は、自然界でとても目立ちます。鳥が見つけやすく、食べてもらうことで種を遠くに運んでもらうのです。

 
●水の中にも冬越しをする生きものたちがいます

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カワニナはホタルの幼虫がエサとして食べる貝です。

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水の中の泥を網ですくってみたら、ヤゴが出てきました。

 
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水の中に落ちた葉がすけています。これはカワニナやトビケラなどが葉のかたいところだけを残して食べたあとです。
落ち葉が水の中に落ちると、水の中の生きものたちのエサになるのです。

 

生きものの冬越し観察に便利な図鑑・絵本

・『虫のしわざ 観察ガイド』新開 孝 著(文一総合出版)

身近な環境で見られる、虫たちが残す食べあとや卵、巣などユニークな“しわざ”150種を豊富な写真とともに紹介。虫の解説も充実。虫の“しわざ”を知ることで、虫の生き方が見えてくる、自然観察の新しい楽しみ方を提案する図鑑。

 
・『落ち葉でしらべようどんぐりのいろいろ(しぜんたんけんずかん)』(小峰書店)

小学校低学年から中学年向け。木が常緑樹であるか落葉樹であるかに注目し、ていねいに観察し調べることで、ドングリの種類がわかるようになっている。生物細密画家、松原厳樹さんの絵も美しい。

 
・『雑草のくらし あき地の五年間』(福音館書店)

植物はどんなくらしをしているのか?雑草の世界を5年にわたって見つめ続けてきた著者、甲斐信枝さんが精魂傾けて描いた、比類なく美しいドラマにみちた大型科学絵本。

 
・『ハンドブックシリーズ』(文一総合出版)

生きものの冬越し観察には「ヤゴハンドブック(水生昆虫3)」「冬芽ハンドブック」がオススメ。自然観察や環境調査に最適なシリーズ本。

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コンテンツ名 身近な自然観察 生きものの冬越し
収録日 2020年2月23日
講師 NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク理事 工藤美紀
簡易プロフィール

講師:工藤美紀
(NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク理事、せたがや水辺の楽校インタープリター)

肩書などはコンテンツ収録時のものです

制作・監修:NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク
主催:一般財団法人森永エンゼル財団

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