⑦早瀬の生きもの

身近な自然観察 ⑦早瀬の生きもの

川で流れの速いところを「早瀬」と呼びます。河口から上流へおよそ20kmの二子玉川エリアを流れる一級河川、多摩川での川釣り。簡単な道具を使えば、子どもたちでも早瀬に生息している生きものを捕まえて観察することができます。川での楽しい体験により子どもたちが環境に興味を持ち、その保全を考えていけるよう、早瀬での釣りの方法、捕獲した生きものの観察のポイントをご紹介します。

早瀬の生きものを捕まえて観察しよう!(16分)

制作:NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク
監修:環境学習指導家 榎本正邦

 

早瀬の生きものを捕獲するときの道具

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手竿(てざお)

 

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・自然観察のポイント
初めて釣りをする時は グラス製の3メートルくらいまでの手竿(てざお)を使いましょう。

 

川で自然観察をするときの服装

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川で釣りをするときは、動きやすい服装で、ケガや日焼けを防ぐため、肌を露出しないようにしましょう。

 

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かかとをしっかりホールドする脱げにくい靴を履きます。靴下も履きましょう。
帽子もかぶりましょう。

 

川での安全対策

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・自然観察のルール
川での観察会では必ずライフジャケットを着用します。
自分の体の大きさに合ったサイズのライフジャケットを着ましょう。

 

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また下のベルトもしっかり締めます。

 

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・自然観察のルール
初めて川に入る人には事前に安全教室を行いましょう 。

 

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・自然観察のルール
見守る大人もスローロープ(浮力のあるロープ)を使った救助法などを学びましょう。

 

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・自然観察のルール
水分はこまめにしっかりとりましょう。

 

川に入ってみよう

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川の中を歩くと、水が濁るのはどうしてでしょう?
川の底には分解途中の有機物がドロのように固まってたまっています。有機物は生きもの(微生物)が食べたりして分解します。

 

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・自然観察のポイント
多摩川は有機物が多いので分解しきれず、ドロのようになって残っています。

 

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川の中を歩くことは、ドロのような汚れ(有機物)を撹拌(かくはん)するので分解の手助けになります。

 

早瀬の生きものを釣ってみよう

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今日使うエサは「紅サシ」です。

 

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紅サシを釣り針に「背通し」します。

 

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糸に付けたオモリの重さを感じながら手首のスナップをきかせて竿を振ります。

 

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・自然観察の注意点
周りの人に釣り針がかからないように気を付けましょう。

 

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・自然観察の注意点
隣の人との間隔を十分にあけてから釣りをはじめます。

 

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・自然観察の注意点
釣れた魚は手を水でぬらしてからつかみましょう。
人間の手の温度は高いので、そのままつかむと魚が弱ってしまいます。

 

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・自然観察のポイント
竿を立てて後ろに持ってくると、魚を近くに引き寄せることができます。

 

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オイカワ(メス)

 

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オイカワ(オス)

 

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オイカワ

 

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ウグイ

 

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・自然観察の注意点
針先には釣った魚がはずれないように「カエシ」がついていますが生きものにとっては負担が大きくなります

 

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自然観察の注意点
リリースを基本とする観察会では「カエシ」をペンチでつぶしましょう

 

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オイカワ

 

川で自然観察をする前の手続き

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自然観察のルール
全国各地の河川には必ず漁業協同組合があります。禁漁期間などもありますので、川で釣りをする時は地域の漁業協同組合や自治体に必ず問い合わせをしてください。入漁券も購入しましょう。

 

早瀬の生きものを観察しよう

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オイカワのオスはどうしてお化粧しているの?
・自然観察のポイント
オイカワのオスは産卵期になると婚姻色が現れます。

 

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メスにモテるためでした。

 

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オイカワのオスの尻びれは、産卵期になぜ長くなるの?

 

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・自然観察のポイント
オイカワは、メスが産卵するときにオスが尻びれでメスを抱くようにして産卵行動を促します。

 

川と海を行き来する生きものたち

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ウグイの仲間は10月になると海へ下ります。

 

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毎年3月には親魚が海から川を遡って二子玉川あたりの多摩川で産卵します。

 

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マルタウグイの親魚は50㎝くらいになります。
※マルタウグイはウグイの一種です。

 

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オイカワは3歳くらいで産卵したら死んでしまいます。一生に一度しか産卵しません。

 

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ミミズをエサにしたらヌマチチブが釣れました。

 

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・自然観察のポイント
ヌマチチブの腹びれは吸盤状になっています。

 

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・自然観察のポイント
二子玉川の多摩川では川と海を行き来する「汽水域」の生きものが増えています。
※川と海が出会い淡水魚と海水が混在しているところを「汽水域」と呼びます。
下流にある調布堰は今後撤去するということで現在は開いている状態です。
それによって海と川を行き来する種類の魚が増えてきているのではと思います。
「堰」が撤去されることで本来の二子玉川あたりの多摩川の姿に戻ってくるのかもしれません。

 

体験を通じて川を好きになることが環境を守る第一歩

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環境が良くないと、魚は釣れません。そこから、環境保全を考えるようになったので、今は、次の世代にそのことを楽しい体験によって伝えていきたいと思っています。

 

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・自然観察のルール
観察が終わったら生きものは川に返します。

 

 

観察した早瀬の生きもの

2022年8月10日(水)AM10:00‐PM12:00
東京都世田谷区 多摩川/二子玉川緑地運動場地先
ウグイ(降海型)
マルタウグイ
オイカワ
ヌマチチブ

 

早瀬の生きものの観察に便利な図鑑

・『日本の淡水魚』山と渓谷社

山渓ハンディ図鑑シリーズの1冊。日本の淡水魚を網羅する基本図鑑。
最新の増強版は、全18目の目解説も追加し、淡水魚の保護や生態に関するコラムに加え種類を調べるだけではない「学び」の要素がプラスされている。

 

・『日本の淡水魚図鑑』誠文堂新光社

水中写真家の田口哲氏が執筆。監修は、北里大学名誉教授 井田齊氏。身近に生息する淡水魚と、魚が棲む生息環境が紹介されている。「類似種との見わけるポイント」となる特徴的な部分について、写真を使って解説されているだけでなく、淡水魚の保護や理解に役立つ情報も収録している。

 

動画を見る

講師:榎本正邦
(環境学習指導家/えのきん事務所代表)

コンテンツ名 身近な自然観察 早瀬の生きもの
公開日 2022年10月25日
講師 講師:榎本正邦

制作:NPO 法人せたがや水辺デザインネットワーク
監修:環境学習指導家 榎本正邦
主催:一般財団法人森永エンゼル財団

刊行書籍

研究成果は『エンゼル叢書』シリーズ(PHP研究所)や
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